
創業ストーリー<第7話> 小さな不動産会社だから、できること。
小さいからこそ、一人のお客様、一軒の家、一つの地域に、深く向き合える。
なかせ不動産は、小さな不動産会社です。
大手の不動産会社のような知名度はありません。
長年営業してきた会社のような信用の蓄積もありません。
そして、もちろん大きな資金力もありません。
これは、創業したばかりの会社としての現実です。
では、そんな小さな不動産会社に、何ができるのか。
会社を始めてから、ずっと考えてきました。
そして今、少しずつ答えが見えてきたように思います。
小さいからこそ、一人のお客様、一軒の家、一つの地域に、深く向き合える。
それが、なかせ不動産の強みになればいいと思っています。
「売れるかどうか」だけで家を見ない
不動産会社ですから、家を売ることは大切な仕事です。
でも、すべての不動産が簡単に売れるわけではありません。
古い家。
空き家。
山間部の家。
残置物がたくさんある家。
境界がはっきりしていない土地。
未登記の建物がある物件。
一つひとつ事情が違います。
効率だけを考えれば、時間のかかる物件なのかもしれません。
それでも、その家を所有している人にとっては、
「たくさんある物件の中の一つ」ではありません。
親から相続した家かもしれない。
子どもの頃から暮らした家かもしれない。
家族との思い出が詰まった家かもしれない。
だから私は、まずその家のことを知りたいと思っています。
現地へ行く
家を見る。
土地を見る。
前の道路を歩く。
周辺を見る。
役所へ行って調べる。
近くのお店や駅、学校なども確認する。
写真や地図だけでは分からないことが、現地へ行けばたくさんあります。
「ここから見る景色はいいな」
「この庭は何かに使えそうだ」
「この蔵は残した方が面白いかもしれない」
「この地域なら、こんな暮らし方を提案できるかもしれない」
そんなことを考えながら歩きます。
不動産は、土地と建物の数字だけではありません。
そこに、どんな暮らしができるのか。
そこまで考えて、初めてその家の魅力が見えてくることがあります。
売主様と一緒に、整えていく
古い家を売る場合、すぐにインターネットへ掲載できるとは限りません。
残置物をどうするのか。
境界はどうなっているのか。
隣地からの越境、こちらからの越境はないか。
未登記の建物はないか。
建物の状態はどうか。
一つずつ確認していかなければならないことがあります。
私は、それを「売るための面倒な作業」とは考えていません。
次の人へ安心して引き継ぐための準備だと思っています。
売主様と相談しながら、
一緒に家を整え、次の人へ渡していく。
そこまでが、不動産会社の仕事だと思っています。
「こんな使い方もできるかもしれない」
古い家だから価値がない。
田舎だから売れない。
私は、できるだけ最初からそう決めつけないようにしています。
広い庭があれば、家庭菜園を楽しみたい人がいるかもしれない。
蔵があれば、店舗のディスプレイや趣味の場所として使えるかもしれない。
薪ストーブがあれば、それを魅力に感じる人もいる。
井戸のある家なら、その家ならではの歴史や暮らし方を伝えられるかもしれません。
売主様には当たり前になっているものが、別の人には大きな魅力になることがあります。
だから、
「この家を欲しい人は誰だろう」
と考えます。
ただ物件情報を掲載して待つのではなく、その家の魅力を見つけ、それが伝わる人へ届ける。
小さな会社だからこそ、そんな売り方をしていきたいと思っています。
大手と同じことをしても、大手にはなれない
私は、大手の不動産会社と競争して勝とうとは思っていません。
店舗数。
社員数。
広告費。
知名度。
どれを比べても勝てません。
ならば、同じことをする必要もないと思っています。
なかせ不動産には、なかせ不動産のやり方がある。
一人のお客様の話を聞く。
一軒の家を自分の目で見る。
分からないことは調べる。
役所にも足を運ぶ。
その地域を歩く。
そして、
「どうすれば、この家を次の人へつなげられるだろう」
と考える。
効率が悪いと言われるかもしれません。
でも、今はそれでいいと思っています。
信用は、これからつくるもの
創業したばかりの会社には、長年積み重ねた会社としての信用はありません。
これは、どうすることもできません。
10年営業した会社の信用を、1年で手に入れることはできないからです。
だったら、
今日の仕事で、明日の信用をつくる。
一つ調べる。
一つ確認する。
一つ約束を守る。
一人のお客様にきちんと向き合う。
その積み重ねしかないと思っています。
33年間の京都市職員としての経歴があっても、それだけで「なかせ不動産」という会社を信用していただけるわけではありません。
会社としての信用は、これから自分たちでつくっていかなければなりません。
地域で、本当に相談してもらえる不動産会社へ
私には、目標があります。
それは、
「地域で、本当に相談してもらえる不動産会社になる」
ことです。
「売ると決めたから不動産屋へ行く」
だけではなく、
「この家、これからどうしたらいいんやろ」
「親の家が空き家になりそうなんやけど」
「相続したけれど、何から始めたらいいのか分からない」
そんな段階で、
「一回、なかせさんに聞いてみようか」
と思い出してもらえる会社になりたい。
そして相談した結果、
「今は売らなくてもいいですよ」
という答えになることがあってもいいと思っています。
不動産を売ることが目的なのではなく、
その人にとって、より良い答えを一緒に探す。
そんな会社でありたいと思います。
大きな会社ではありません。
知名度も、信用の蓄積も、資金力も、まだありません。
だからこそ、一人ひとりに向き合う。
一軒一軒に向き合う。
そして、一つひとつの地域に向き合う。
小さな会社だから、できること。
それを積み重ねながら、
人・家・地域をつないでいく。
それが、なかせ不動産の目指す姿です。
