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創業ストーリー<第6話> 33年間の公務員経験は、不動産屋の武器になるのか。

なかせ不動産のご紹介

私は、京都市役所で33年間働きました。

そして、57歳で早期退職し、不動産の世界に入りました。


市役所と不動産会社。

一見すると、まったく違う仕事です。


私自身、不動産業を始めるまでは、33年間の公務員経験がどこまで役に立つのか、分かっていませんでした。

ところが、実際に仕事を始めてみると、

「役所でやってきたことと、よく似ているな」

と思う場面がたくさんあります。


不動産の仕事は、「調べる仕事」でもある


不動産を売るとなると、どうしても、

「いくらで売れるのか」

「どうやって買主を見つけるのか」

ということに目が向きます。


もちろん、それも大切です。

でも、その前にやらなければならないことがあります。

その不動産について、きちんと調べることです。

土地は、どのような都市計画上の区域にあるのか。

前の道路は、建築基準法上どのような道路なのか。

水道や下水道はどうなっているのか。

建物は適法に建てられているのか。

登記と現況に違いはないのか。

境界はどうなっているのか。

越境物はないのか。


一つひとつ確認していきます。

先日、京丹波町の物件をお預かりしたときにも、町役場、京都府の土木事務所、法務局などを回って調査しました。

水道についても、台帳を見るだけではなく、配管の位置や口径まで確認します。

分からないことがあれば、担当者に聞く。

資料があれば、根拠を確認する。

そして、分かったことと分からないことを整理する。

こういう仕事をしていると、

「これ、役所にいた頃と同じだな」

と思うのです。


「たぶん大丈夫」で進めない


市役所では、法律や条例、要綱などに基づいて仕事をします。

「前もこうだったから」

「おそらく大丈夫だろう」

ではなく、

何を根拠にそう判断するのか。


それを確認する習慣が身につきました。

不動産でも、この姿勢はとても大切だと思っています。

一つの見落としが、売主様や買主様にとって大きな問題になることがあるからです。


もちろん、私はすべてを知っているわけではありません。

分からないことは、たくさんあります。

だからこそ、

分からないことを、分からないままにしない。

役所に聞く。

法務局で調べる。

必要なら土地家屋調査士、司法書士、建築士などの専門家にも確認する。

地味な作業です。

でも、不動産の仕事では、この地味な積み重ねが安心につながるのだと思っています。


もう一つ、役所で学んだこと


33年間の中で学んだことは、制度や法律だけではありません。

むしろ、今の仕事に一番生きているのは、

「人の話を聞くこと」

かもしれません。


市役所には、いろいろな相談が寄せられます。

相談に来られた方自身も、「何をどうしたらいいのか分からない」ということがあります。

話を聞いていくと、

最初に口にされた相談とは別のところに、本当の困りごとがあることもあります。


不動産の相談もよく似ています。


「家を売りたい」という相談であっても、その背景は一人ひとり違います。


相続した家をどうしたらいいのか。

空き家を持ち続けることが負担になっている。

住み替えたいけれど、何から始めればいいのか分からない。

家族の意見がまとまっていない。

思い出のある家なので、簡単には手放せない。


ですから私は、最初から、

「では、売りましょう」

とは考えません。


まず、話を聞く。

何に困っているのかを一緒に整理する。

その結果、売却することが一番良いのであれば、売却のお手伝いをする。

それが、不動産会社の役割だと思っています。


大手にはないものを、どうつくるか


なかせ不動産は、小さな会社です。

大手の不動産会社のような知名度はありません。

長年積み上げてきた会社としての信用も、豊富な資金力もありません。

これは、創業したばかりの会社として認めなければならない現実です。


だからこそ、

何で選んでもらえる会社になるのか。

いつも考えています。


私が出した答えの一つが、

一つひとつ、丁寧に調べること。
分からないことを、そのままにしないこと。
そして、相談してくださった方の話をしっかり聞くこと。

です。


派手ではありません。

効率が悪いこともあると思います。

それでも、33年間の公務員生活で身についたこの仕事の仕方なら、私にもできる。

そして、それを積み重ねることが、創業したばかりのなかせ不動産にとっての「信用」になっていくのだと思っています。


33年間は、遠回りではなかった


57歳で新しい仕事を始めるのは、少し遅いのかもしれません。

もっと若い頃から不動産業をしていれば、今頃はもっと経験豊富な不動産屋になっていたでしょう。


でも最近は、こう思います。

33年間の市役所勤務は、不動産屋になるまでの遠回りではなかった。


地域の人と話したこと。

一緒に地域の課題を考えたこと。

制度を調べたこと。

現場へ足を運んだこと。

災害の被災地へ派遣されたこと。


一つひとつの経験が、今の仕事につながっています。


調べる。

確認する。
話を聞く。
現場を見る。
そして、人と人をつなぐ。


33年間で身につけたものを、不動産という新しい仕事に生かしていく。


それが今の私の強みです。


そして、その力を、

人・家・地域をつなぐために使いたい。

そう思っています。

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