
創業ストーリー<第4話> 空き家に明かりが灯る、その瞬間のために。
不動産の仕事を始めてから、改めて感じるようになったことがあります。
それは、家は、単なる「建物」ではないということです。
長い間、誰も住まなくなった家。
庭には草が伸び、雨戸は閉まったまま。
夜になっても、その家だけには明かりが灯らない。
そんな家も、かつては誰かの暮らしの場所でした。
家族で食卓を囲んだり、子どもが走り回ったり、近所の人が訪ねてきたり。
そこには、何十年という時間と、たくさんの思い出が刻まれています。
空き家は「負動産」なのか
空き家という言葉には、どうしてもマイナスのイメージがあります。
「古いから売れない」
「田舎だから買う人はいない」
「管理するだけでお金がかかる」
そんな話を聞くことも少なくありません。
確かに、簡単に売れる物件ばかりではありません。
でも私は、空き家を最初から「負動産」と決めつけたくないと思っています。
住む人が変われば、新しい暮らしの場所になるかもしれない。
週末を過ごす場所になるかもしれない。
お店や仕事場として生まれ変わるかもしれない。
地域と新しい人をつなぐ場所になる可能性だってあります。
不動産会社の仕事は、その可能性を一緒に探すことでもあると思うのです。
家に、もう一度明かりが灯る
長く空いていた家に新しい家族が住み始める。
夕方になると窓から明かりが見える。
家の中から子どもの声が聞こえてくる。
庭に洗濯物が干される。
近所の人と「こんにちは」と挨拶を交わす。
一軒の家に暮らしが戻るだけで、周りの景色まで少し変わります。
私は、そんな光景を見ると、
「不動産の仕事は、家を売るだけの仕事ではないんだ」
と思います。
一つの家を次の人へ引き継ぐことは、その家の時間を未来へつなぐことでもあります。
そして、新しい人が地域に入ることで、地域にも新しいつながりが生まれます。
「人・家・地域」をつなぐ仕事
京都市役所で33年間働き、地域の方々と一緒に仕事をしてきました。
そこで何度も感じたのは、地域をつくっているのは、建物や制度だけではなく、そこに暮らす「人」だということでした。
不動産の仕事を始めた今も、その考えは変わっていません。
家を売る人。
家を買う人。
その家の近くで暮らしている人。
それぞれを切り離して考えるのではなく、
人と家と地域をつないでいく。
それが、私がやりたい不動産の仕事です。
大手の不動産会社のような知名度も、信用の蓄積も、資金力もありません。
だからこそ、一つひとつの家を見て、一人ひとりの話を聞き、その地域を自分の足で歩く。
そんな仕事を積み重ねていきたいと思っています。
空き家だった家に、もう一度明かりが灯る。
その明かりが一つ、また一つと増えていけば、地域の未来も少しずつ明るくなる。
そんな仕事ができる不動産会社でありたい。
それが、なかせ不動産です。
