実家の相続で悩む人必見!対策と不動産の売却か活用かを解説の画像

実家の相続で悩む人必見!対策と不動産の売却か活用かを解説

幸せな「相続」について

中瀬 策羊

筆者 中瀬 策羊

不動産キャリア1年

不動産を「売る・買う」と決める前の段階から、お気軽にご相談ください。相続した家をどうするか、空き家を残すか売るか、住み替えをどう進めるかなど、まだ答えが決まっていないご相談も歓迎しています。京都市役所で33年間培った経験も活かし、お客様と一緒に選択肢を整理していきます。

親の老後や介護を見据えて実家の相続を考え始めたものの、具体的に何から手を付ければよいのか分からず、不安を抱えている方は少なくありません。
とくに不動産が関わると、相続の手続きに加えて、売却か活用かという判断も迫られるため、悩みは一層複雑になりがちです。
しかし、実家の相続対策は、親が元気なうちに全体像を理解し、家族で方向性をすり合わせておくことで、後々の負担を大きく減らすことができます。
本記事では、実家の不動産について、売却か活用かを検討する際の基本知識から具体的なチェックポイントまでを整理し、今から準備できる実践的な考え方を分かりやすく解説していきます。
まずは現状を冷静に見つめ直し、一緒に最適な選択肢を探っていきましょう。

親の老後・介護と実家相続の基本知識

親の老後や介護を見据えるとき、実家を将来どのように引き継ぐかは、避けて通れない大きな課題になります。
特に、親が自宅で暮らし続けるのか、介護施設等へ入所するのかによって、実家の扱いは大きく変わります。
そのため、相続が発生してから慌てるのではなく、元気なうちから売却か活用かを含めて話し合い、全体像を共有しておくことが重要です。
あらかじめ方針を決めておくことで、介護費用の準備や兄弟間のトラブル防止にもつながります。

相続について考える際には、まず「誰が財産を受け継ぐのか」という相続人、「財産をどのように分けるか」を決める遺産分割、「故人の意思を書面に残す」遺言、「生きているうちに財産を渡す」生前贈与といった基本用語を整理しておく必要があります。
さらに、実家のような不動産は、分けにくく評価額も大きいため、現金とは異なる注意が必要です。
誰が住み続けるのか、売却して現金で分けるのか、賃貸等で活用して収益を分けるのかなど、早めに方向性を確認しておくことが大切です。
こうした前提を家族で共有しておくと、いざというときの判断が格段にしやすくなります。

近年は空き家の増加が大きな社会問題となっており、総務省の住宅・土地統計調査でも住宅数に占める空き家率は上昇傾向にあると示されています。
国は空き家対策の一環として、所有者の把握や活用促進を重視しており、相続を契機とした空き家の発生を抑えることが重要視されています。
また、民法や不動産登記法の改正により、令和6年4月1日からは不動産の相続登記が義務化され、相続から一定期間内に登記をしないと過料の対象となる仕組みが導入されました。
相続登記や管理を放置した空き家は、老朽化による倒壊や近隣トラブルの原因となるおそれがあり、所有者自身にとっても大きなリスクとなるため、早めの対応が欠かせません。

テーマ 確認したいポイント 放置した場合の主なリスク
親の住まい方 自宅継続か施設入所か 介護費用や住まいの計画不足
相続の基本整理 相続人と遺産分割方法 相続発生後の家族間対立
空き家と登記 相続登記と活用方針 空き家化と過料負担の可能性

売却か活用かを決めるためのチェックポイント

まずは、親御様の今後の暮らし方を家族で整理することが大切です。
自宅に住み続けるのか、介護施設などへの入所を検討するのか、子世帯との同居を前提とするのかによって、実家を残した方がよいのか、売却した方がよいのかの方向性が大きく変わります。
あわせて、兄弟姉妹が将来住む可能性や、将来の転居予定の有無なども確認しておくと、売却向きか活用向きかの判断がしやすくなります。
この段階で家族の希望を言語化しておくことが、後々の相続トラブルを防ぐうえでも有効です。

次に、実家の立地や建物の状態、維持管理にかかる費用を「見える化」して整理することが重要です。
具体的には、建物の築年数や劣化状況、日頃の修繕費、固定資産税、火災保険料などを洗い出し、年間でどれくらいの負担になっているかを確認します。
あわせて、最寄りの公共交通機関までの距離や周辺の生活施設の充実度など、一般的に資産価値に影響しやすい要素も整理しておくとよいでしょう。
こうした負担と資産価値の両面を比較することで、売却か活用かの判断材料が具体的になります。

さらに、将来の相続税の負担や、相続人が複数いる場合の共有リスク、空き家として放置した場合の指定リスクも考慮する必要があります。
不動産を共有名義のまま放置すると、利用方法や売却方法を巡って意見が分かれ、合意形成が難しくなるおそれがあります。
また、長期間人が住んでいない状態が続くと、管理不全な状態に陥り、一定の条件のもとで空き家に関する法制度の対象となる可能性もあります。
こうした点を踏まえると、早めに売却か活用かの方向性を決めておくことには、税負担やトラブルの回避という面でのメリットと、選択肢を狭めてしまう可能性というデメリットの両方があるといえます。

確認したい項目 売却を検討しやすい例 活用を検討しやすい例
親の今後の住まい方 施設入所予定 自宅に住み続ける予定
家族の将来の利用 誰も住む予定なし 子世帯の同居予定
費用と資産価値 維持費が重い老朽建物 負担少なく需要も見込める

実家を「売却」する場合の流れと税金・制度

実家を売却することを視野に入れるなら、まず親名義かどうか、共有名義がないかといった登記内容の確認が重要です。
あわせて、誰が相続人になるのかを戸籍などで整理し、兄弟姉妹の連絡先を早めに把握しておくと、相続発生後の話し合いが円滑になります。
さらに、親が元気なうちに遺言書や生前贈与の希望を聞き、家族である程度の方針を共有しておくことで、感情的な対立を抑えやすくなります。
これらの準備を進めておくと、いざ売却が必要になったときにも手続を落ち着いて進めやすくなります。

相続後に実家を売却する場合は、まず相続登記を行い、不動産の名義を相続人名義に変更することが出発点になります。
相続登記は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に申請することが義務づけられており、期限を過ぎると過料の可能性があるため注意が必要です。
そのうえで、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が売却手続を代表して進めるかや売却代金の分け方を合意し、合意内容を遺産分割協議書として文書化します。
登記簿謄本、評価証明書、身分証明書などの必要書類を揃えたうえで、具体的な売却活動や引渡しに進む流れになります。

実家を相続して売却する場合、売却益には譲渡所得税や住民税がかかる可能性がありますが、条件を満たせば税負担を軽減できる特例があります。
代表的なものとして、被相続人が居住していた家屋と敷地を、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに一定の要件を満たして譲渡した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例が設けられています。
この特例は、老朽化した実家をそのまま空き家にせず、円滑に売却して活用を促すことを目的とした制度です。
適用の可否や必要な手続については、売却前の早い段階で税務署や専門家に確認し、手続の漏れがないように準備することが大切です。

売却前に確認したいこと 相続後の主な手続の流れ 活用しやすい主な制度
名義人と共有者の有無 相続登記の申請 相続空き家3,000万円控除
相続人の範囲と連絡先 遺産分割協議と書面化 譲渡所得の各種特例
遺言や生前贈与の有無 必要書類の収集・整理 税務署への申告と相談

実家を「活用」しながら親の老後と相続に備える方法

親が住み続ける実家を安心して使い続けるためには、早めの自宅リフォームやバリアフリー化が重要です。
例えば、手すりの設置や段差の解消、滑りにくい床材への変更などは、転倒予防に役立ちます。
一定の条件を満たす場合には、介護保険制度を利用して住宅改修費の一部が支給される仕組みもあります。
こうした支援も踏まえて、将来の介護負担を軽くする視点で改修内容を検討しておくことが大切です。

一方で、将来親が施設へ入所する可能性がある場合には、実家を空き家にしない活用方法を考えておく必要があります。
代表的な活用としては、第三者への賃貸、親族との二世帯同居、一時的な短期利用などが挙げられます。
どの方法を選ぶにしても、想定される家賃収入や光熱費・修繕費などの支出を整理し、収支バランスを冷静に確認することが欠かせません。
また、管理にかかる手間を誰が負うのかも、事前に明確にしておくと安心です。

さらに、実家を活用しながら相続に備えるためには、家族全員での話し合いが重要です。
誰が住むのか、将来空き家になった際の管理を誰が担うのか、どの条件で売却や賃貸へ切り替えるのかといった方針を共有しておくと、相続後の対立を防ぎやすくなります。
親の健康状態や家族の暮らし方は時間とともに変化するため、一度決めた内容も定期的に見直すことが望ましいです。
このように、日頃から対話を重ねておくことが、老後と相続の両方に備えるうえで大きな支えになります。

活用方法 主なメリット 注意したい点
親が住み続ける 住み慣れた環境で安心 バリアフリー工事費負担
二世帯同居 介護や見守りのしやすさ 生活ルール調整の必要
賃貸として活用 家賃収入の確保 空室リスクと管理負担

まとめ

親の老後や介護を見据えた実家の相続は、「売却か活用か」を早めに検討することが何より大切です。
親の今後の住まい方や家族構成、建物の状態や維持費、将来の相続税や空き家リスクを整理すると、進むべき方向が具体的に見えてきます。
売却でも活用でも、準備を始めるなら親が元気な今が最適なタイミングです。
当社では、ご家族の状況を丁寧にお伺いし、売却か活用かを一緒に比較検討しながら、最適な相続対策をご提案しています。
「うちの場合はどうすればいいか知りたい」と思われた方は、まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら

”幸せな「相続」について”おすすめ記事

  • 相続トラブルがすでに発生したら?相談先の選び方と解決への進め方の画像

    相続トラブルがすでに発生したら?相談先の選び方と解決への進め方

    幸せな「相続」について

  • 親が認知症になる前に何をする?相続準備の事前対策を専門家が解説の画像

    親が認知症になる前に何をする?相続準備の事前対策を専門家が解説

    幸せな「相続」について

  • 相続した実家を売るか残すか迷ったら?判断基準を整理し最適な選択を検討するの画像

    相続した実家を売るか残すか迷ったら?判断基準を整理し最適な選択を検討する

    幸せな「相続」について

  • 親名義の不動産10年後どうなる?後悔しない相続対策の進め方を解説の画像

    親名義の不動産10年後どうなる?後悔しない相続対策の進め方を解説

    幸せな「相続」について

  • 親が亡くなった家を売るべきか悩んだら?心構えと判断の視点をやさしく解説の画像

    親が亡くなった家を売るべきか悩んだら?心構えと判断の視点をやさしく解説

    幸せな「相続」について

  • 相続税対策は不動産活用が要点?生前贈与とシミュレーションの進め方を解説の画像

    相続税対策は不動産活用が要点?生前贈与とシミュレーションの進め方を解説

    幸せな「相続」について

もっと見る