
第31回太秦ふれあいまつりが育てる、もう一つの地域の力
明日、10月18日(日)は、第31回「太秦ふれあいまつり」です。

今日は、太秦小学校で、明日の開催に向けた会場設営が行われました。
体育館いっぱいに並べられた椅子。舞台には横断幕が掲げられ、会場の周囲には紅白幕が張られています。
明日になれば、子どもたちの元気な声が響き、グラウンドには模擬店が並び、多くの地域の皆さんでにぎわうことでしょう。
今年で31回目を迎える、太秦の秋の恒例行事です。
ふれあいまつりは、地域の皆さんが集い、交流し、楽しい時間を過ごすためのお祭りです。
でも、私はこのお祭りには、もう一つ、とても大切な役割があると思っています。
それは、お祭りを支える人たち同士の「ふれあい」です。
学区を挙げて取り組む、大きなお祭り
太秦ふれあいまつりは、学区のさまざまな団体が協力して開催する大規模な地域行事です。
自治連合会をはじめ、各種団体の役員や委員、町内会の皆さんなど、実に多くの方々が関わっています。
準備は、開催直前だけではありません。
当日までに何度も会議が開かれ、企画や役割分担、会場の配置、当日の運営方法などについて話し合いが重ねられます。
それぞれの団体が役割を担い、多くの人が時間をつくって準備を進めていきます。
一つのお祭りを開催するために、これだけ多くの地域の人たちが力を合わせる。
考えてみれば、それ自体がとても貴重なことです。
会議では、その人の考え方が見えてくる
何度も会議を重ねていると、参加されている方々のことが、少しずつわかってきます。
どんな発言をするのか。
どんな質問をするのか。
何を大切に考えているのか。
子どもたちの安全を第一に考える人もいれば、参加者にもっと楽しんでもらおうと工夫する人もいます。
過去の経験を踏まえて助言する人、新しいアイデアを提案する人、細かな課題に気づく人。
発言や質問の一つひとつに、その人の考え方や熱意、経験、得意な分野が表れます。
普段は別々の団体で活動している方々ですから、こうして何度も顔を合わせ、意見を交わす機会は、実はそれほど多くありません。
会議は、単に物事を決めるためだけの場ではないのです。
一緒に地域のことを考えることで、互いを知る場にもなっています。
重たい机を一緒に運ぶと、わかることがある
そして、会議以上にその人の特徴が見えてくるのが、準備や片付けの時間です。
お祭りの会場設営では、重たい机や椅子を何度も運びます。
特に、重たい机を二人で運んでいると、いろいろなことがわかるんですよね。
相手の歩調に合わせる人。
重い方をさりげなく引き受ける人。
周囲の安全を確認しながら動く人。
次に何が必要かを考えて、先回りして準備する人。
黙々と作業を続ける人もいれば、周囲に声をかけて、みんなを和ませてくれる人もいます。
それぞれの人の特徴やお人柄が、自然と見えてきます。
もちろん、短い時間の行動だけで、その人のすべてがわかるわけではありません。
それでも、一緒に汗を流していると、会議の席では見えなかった一面に気づくことがあります。
そして、作業の合間には、何気ない世間話も生まれます。
仕事のこと、家族のこと、最近の地域の出来事。
「普段はどんなことをされているんですか?」
そんな会話から、意外な共通点が見つかることもあります。
会議では少し堅い雰囲気だった人が、作業中には気さくに話しかけてくれる。
そんな経験も、地域活動ならではの面白さだと思います。
会議では、その人の考え方が見える。
準備や片付けでは、その人の行動や人柄が見える。
そして、何気ない世間話から、互いの距離が縮まっていく。
お祭りの本番はもちろん大切ですが、地域の人と人とのつながりを育てるという意味では、準備と片付けの時間こそが、実は一番大切なのかもしれません。
「中瀬係長!」懐かしい声に、思わず手が止まる
今日の会場設営では、うれしい再会もありました。
作業をしていると、突然、
「中瀬係長!」
と声をかけてくれる若者がいました。
振り返ると、以前、右京区役所で一緒に働いていた仲間の職員でした。
懐かしくなって話を聞くと、今は結婚して、太秦で暮らしているとのこと。
「そうなんや! 今、太秦に住んでるんか!」
そこから話が弾み、昔の仕事のことや近況など、話し出したら止まりません。
気がつけば、すっかり作業の手が止まっていました。
周りで一生懸命準備をしてくださっていた皆さんには、ちょっと申し訳なかったのですが(笑)。
でも、こういう再会があるのも、地域行事のいいところだと思います。
かつては、同じ区役所で働く仲間だった人。
それが年月を経て、今度は同じ太秦に暮らす地域の仲間として再会する。
職場で生まれたつながりが、地域のつながりへと広がっていく。
そして、これからは地域の活動を通じて、また新しい関係が生まれるかもしれません。
人と人とのつながりは、場所や立場が変わっても、こうして続いていくものなんですね。
机を運ぶ手も大切。でも、ときには、その手が止まるほど話が弾むことも、地域のふれあいなのかもしれません。
「うちの団体に入りませんか?」
こうして何度も顔を合わせ、一緒に活動していると、自然と名前と顔が一致するようになります。
そして、名前だけでなく、その人がどんなことを考え、何が得意で、どんな人柄なのかもわかってきます。
そんな中で、よく見かける光景があります。
「今度、うちの団体にも入ってくれませんか?」
いわば、地域活動のスカウトです。
一緒に準備をして、その人の仕事ぶりや人柄を知ったからこそ、声をかけたくなる。
声をかけられた方も、どんな人たちが活動しているのかがわかっているので、参加への心理的なハードルが下がります。
地域活動の担い手不足が課題となる中で、こうした自然な出会いは、とても貴重です。
ふれあいまつりは、地域の新しい担い手が見つかる場所でもあるのです。
顔が見える関係は、災害時に力を発揮する
そして、私はこのような人と人とのつながりが、いざというときに大きな力を発揮すると考えています。
例えば、大きな地震が発生し、太秦小学校に避難所を開設することになったとします。
避難してきた方々への対応、物資の受け入れ、情報の共有、配慮が必要な方への支援など、さまざまな仕事が発生します。
行政や学校との連携も必要です。
そんなとき、地域の役員や委員の皆さんが、互いの名前も顔も知らなかったらどうでしょうか。
初対面の人同士で、役割を決め、協力体制をつくるところから始めなければなりません。
一方、日頃からお祭りなどで一緒に活動している人たちであれば、どうでしょう。
「あの人に相談してみよう」
「あの人は段取りが得意だったな」
「あの団体の人たちにも協力をお願いしよう」
そんな声が、自然と出てくるのではないでしょうか。
顔と名前が一致するだけではありません。
その人の考え方や得意なこと、人柄まで知っている。
だからこそ、役割分担や協力がしやすくなるのです。
もちろん、災害時の対応には、日頃からの防災訓練や計画、行政との連携が欠かせません。
しかし、その土台となるのは、やはり人と人との信頼関係だと思います。
防災訓練だけが、防災ではない。
お祭りの準備や片付けを通じて育まれる顔の見える関係も、地域の防災力を支えているのです。
重たい机を一緒に運んだ経験が、いつか避難所で一緒に力を合わせるときの助けになるかもしれない。
そう考えると、何気ない共同作業にも、大きな意味があるように思います。
31回続いてきたことの意味
太秦ふれあいまつりは、今年で31回目を迎えます。
長く続いている行事ほど、毎年開催されることが当たり前のように感じられるかもしれません。
でも、決して当たり前ではありません。
毎年、多くの人が会議に参加し、準備をし、当日の運営を担い、最後の片付けまで行ってきたからこそ、続いてきたお祭りです。
そして、その積み重ねの中で、地域の人たちは互いを知り、新しい仲間と出会い、信頼関係を育んできたのだと思います。
子どもたちにとっては、楽しい秋の思い出。
来場者にとっては、地域の皆さんとの交流の場。
そして、運営する人たちにとっては、地域を支える仲間とのつながりを深める場。
それぞれに、大切な意味があるのです。
お祭りの本当の成果とは
明日は、体育館で吹奏楽やダンス、太鼓演舞などが披露され、グラウンドには模擬店やキッチンカーが並びます。
多くの皆さんに足を運んでいただき、楽しい一日になればと思います。
そして、お祭りが終われば、また机や椅子を運び、会場を元の姿に戻します。
その片付けの時間にも、きっと新しい会話が生まれることでしょう。
お祭りの成功は、来場者の数や笑顔だけで測れるものではないと思います。
準備から片付けまでの間に、地域の人たちがどれだけ互いを知り、つながることができたか。
そこにも、お祭りを続ける大きな価値があるのではないでしょうか。
お祭りは、一日限りのイベント。
でも、そこで生まれた人と人とのつながりは、明日からの地域を支えていく。
今日、体育館いっぱいに並んだ椅子を見ながら、そんなことを考えました。
明日の太秦ふれあいまつりが、来場される皆さんにとっても、運営に携わる皆さんにとっても、素敵な「ふれあい」の一日になりますように。
第31回 太秦ふれあいまつり
1 開催日:令和8年10月18日(日)雨天決行
2 会場:京都市立太秦小学校 体育館・グラウンド
3 芸能の部:午前9時15分から
4 グラウンド模擬店:午前10時から

皆さん、ぜひお越しください!
